横たわる瞑想 ヨガ二ドラ 眠りのヨガ
- YOSHIYOGA

- 9月22日
- 読了時間: 6分
ヨガニドラとは?
眠りのヨガと呼ばれるヨガニドラは「意識的な睡眠」とも呼ばれ
仰向けで行う瞑想です。
ただ横になるだけで深い休息が得られるのが最大の特徴です。
20分程度の実践で90分の睡眠に匹敵すると言われ、難しいポーズも汗も不要。
ストレスや不眠、慢性疲労に悩む現代人のセルフケアとして世界中で注目されています。
発祥と歴史
古来から続く精神修養で
古代インドのタントラ聖典『ヴィジュニャーナ・バイラヴァ・タントラ』には
「意識的な睡眠」の記述があり、これが原型とされます。
20世紀に入り、ビハール・スクール・オブ・ヨガ創設者スワミ・サティアナンダが
段階ごとに整理し「ヨガニドラ」と命名。
欧米でマインドフルネスと結びつき急速に普及し、医療・心理分野の研究対象にもなりました。日本では1990年代後半に紹介され、書籍やスタジオを通じて広まりました。
睡眠法との違い
「昼寝と何が違うの?」という疑問に答えるには、意識状態の差に注目すると理解しやすくなります。
通常の睡眠では意識が途切れ、脳波はδ波(デルタ)優位となります。一方ヨガニドラではガイドの誘導を聞き取りながらα波(アルファ)~θ波(シータ)を維持し、身体は眠り、心は覚醒という半覚醒状態を保ちます。
ボディスキャンで筋弛緩を進めつつ潜在意識にアクセスするため、
記憶整理や自己肯定感の書き換えが行われるのが特徴。
仰向けで動かないため肉体疲労がなく、仕事の合間や就寝前など
「ちょっとしたスキマ時間」に取り入れやすいのも魅力です。
基本の流れ
①準備:静かな部屋で仰向け(シャヴァーサナ)になり、膝裏にクッションを当てアイマスクやブランケットで快適環境を整える。
②サンカルパ設定:ポジティブな短いフレーズ(例「私は安らかに眠れる」)を心に刻む。
③ボディスキャン:右手親指→左足小指まで順に注意を向け、筋肉の緊張を解放。
④呼吸観察:おなかの上下や鼻先の空気を感じながら自然呼吸を深める。
⑤イメージ誘導:光や波など心地よい情景を思い描き、深層リラックスへ。
⑥帰還:外の音に意識を戻し、手足を動かしてゆっくり起き上がる。
この20~30分のプロセスを続ければ、短時間でも頭がクリアになり翌日の活力が大きく変わります。
ヨガニドラの効果って?
深い休息感だけでなく、自律神経の調整、ホルモン分泌の最適化、脳波パターンの変化など科学的根拠に基づく多面的なメリットがあります。
リラックス効果
ヨガニドラでは仰向けで動かず、ガイドに従って足先から頭頂まで順番に意識を向ける
「ボディスキャン」を行います。これにより筋肉の緊張がほどけ、呼吸は自然と深くゆっくりに変化。
脳はα波優位となり副交感神経が優勢になるため、心拍数と血圧が安定し「全身がポカポカ」「頭がスーッと軽い」といった実感が得られます。
ヨーロッパの臨床試験では、
わずか15分のヨガニドラでマッサージ60分と同程度のリラクゼーション指標(HRV向上)が確認された報告もあり、時間対効果の高さが特徴です。
自然治癒力UP
人体の回復機能は睡眠中に最大化しますが、ヨガニドラは覚醒と睡眠の間を行き来する半覚醒状態を意図的に作り出すことで、免疫・代謝系のスイッチを早回しで入れるのがポイント。
副交感神経が優位になると胃腸の働きが活性化し、栄養吸収が向上。
さらに深層リラックスに伴い脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、細胞修復や筋肉の微細損傷の回復が促進されます。
実験ではヨガニドラ実践後、ナチュラルキラー細胞活性が平均15%上昇したデータもあり、「風邪を引きにくくなった」「トレーニング後の筋肉痛が軽減した」といった体験談が多数報告されています。
睡眠改善で眠れる
寝付きの悪さや夜間覚醒の原因は、交感神経の過剰興奮と脳内雑念の増幅です。ヨガニドラではガイドに注意を向け続けることで思考のループを止め、θ波へスムーズに移行させます。
20分の実践は90分の熟睡に相当すると言われ、実際に不眠症患者を対象とした研究でも、入眠潜時が平均25%短縮し、深睡眠(N3)の割合が増加しました。就寝前のルーティンに組み込めば、布団に入ってからの“スマホだらだら時間”を省き、翌朝のスッキリ感が劇的にアップします。
ストレス軽減
慢性的ストレスはコルチゾール値を上げ、疲労感やイライラを増幅させます。ヨガニドラ中は呼吸が1分間に4〜6回まで落ち着き、視床下部・下垂体・副腎系(HPA軸)の過活動がリセットされるため、コルチゾール分泌が抑制されることが複数の研究で示されています。
また、心地よいイメージ誘導によって前頭前野が活性化し、感情を客観視するメタ認知能力が向上。
「嫌な出来事を思い出しても引きずらなくなった」
「突然のトラブルでも落ち着いて対処できた」といった
精神的レジリエンスの向上つまりストレスから立ち直り、回復する能力の向上が期待できます。
自然治癒力を高める3つのメカニズム
私たちの身体には、ケガや病気を自力で治そうとする「自然治癒力」が備わっています。ヨガニドラはその力を効率よく引き出すメソッドで、ポイントは自律神経・ホルモン・脳波の3方向から同時にアプローチできること。
本章ではそれぞれの仕組みをやさしく解説し、実際にどんな変化が起きるのかを具体的にイメージできるようにします。
1.副交感神経優位
まずは「休む神経」を優位にするしくみから見ていきましょう。
ヨガニドラでは仰向けで動かずにガイドの声に意識を向けるだけで呼吸が深くなり、脈拍と血圧が低下します。これは自律神経のうち休息を司る副交感神経が優位になる証拠で、胃腸の働きや毛細血管の血流が高まり、酸素と栄養が細胞のすみずみまで届きやすくなります。
結果として免疫細胞が活性化し、キズや炎症の回復がスムーズになるため「自然に治る力」が底上げされるのです。さらに副交感神経は心拍変動(HRV)を安定化させるため、自律神経失調による頭痛や倦怠感の緩和にも好影響を与えます。
2.ホルモン分泌促進
次に、体のメッセージ物質=ホルモンが整う経路を押さえましょう。
ヨガニドラが深まると脳の視床下部‐下垂体系がリラックス信号を受け取り、成長ホルモンやメラトニンの分泌が高まります。
成長ホルモンは夜間の細胞修復や筋肉の回復を促し、
メラトニンは抗酸化作用と睡眠リズムの調整役として知られています。
また日中のストレスで減りやすい幸福物質セロトニンもゆるやかに増えるため、精神的な安定感が向上し、過食やイライラの抑制にもつながります。これらホルモンのバランスが整うことで、ケガや病気からの回復速度が上がり、肌ツヤや代謝も改善するという相乗効果が期待できます。
3.脳波α波への誘導
最後は「脳の電気信号」が変わる点に注目します。
一般的な睡眠では意識が途切れて脳波はδ波へ落ち込みますが、ヨガニドラ中は耳でガイドを聞き取ることでα波からθ波へとゆっくり遷移し、半覚醒状態を保ちます。α波は創造性や集中力が高まる状態とされ、ストレスホルモンの分泌を抑える働きも報告されています。
さらにθ波の領域に入ると潜在意識へのアクセスが深まり、肯定的なサンカルパ(短い誓い)が無意識層へ定着しやすくなるのがポイント。
この脳波パターンはPTSDや慢性疼痛の補助療法としても研究されており、心身の自己調整力を引き上げる鍵といえます。

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